ネットとダンスと文化2006/03/20 16:00

 今までに、色々なダンス関係の人とネットで知りあった。高校教員、高校生などが比較的多いが、それ以外にもいる。

 実は最初にダンスを始めたのが、10年前なのだが、モダンダンスの教室に通うと同時に、高校生にストリートを教えてもらった。当時はダンスのビデオなどはほとんどないし(増えたのはここ数年)インターネットもほとんど普及はしていなかったので、直接教えてもらうしかないばかりか、生のダンスを見る機会もあまりなかった。
 そんな中、「草の根BBS」と呼ばれるパソコン通信のネット上で、ダンスをしている高校生と知り合ったのだ。そのBBSは知り合いの高校生が運営しているもので、自宅の電話回線とパソコンを使い開設しているものだった。当時は「ネットを個人が運営する」というのは、自分の家の電話にかけてもらい、自宅のPCをサーバーにして行うものであった。
 文字だけでやりとりするとか常に一人しか、しかも家族が電話を使わない夜中しかアクセスできない(途中から2回線に増えましたが)という、今からでは考えられないシステムだったが、そんな中でその高校生とは知り合った。

 その後色々とやりとりしたのだが、岡山県高等学校総合文化祭ダンス部門(いわゆる総文祭)が倉敷芸文館で開かれるので、それを一緒に見に行ったのが直接会った始まりである。当時こちらは大学院で社会教育の研究をしていた。
 その後彼とは、母校の文化祭でゲリラ的にダンスを踊ったり、イベントで踊ったり、クラブゲットー(今あるRHYM∃の場所にあったJuicyのさらに前にあったクラブ)に行ったりと、いろいろ活動していたのだが、東京に就職とのことで何年かに一度会うだけになってしまった。
 その彼から先日久々にメールが来た。PHSにメールすると今岡山なので飲もうという話に。ところが開いている日がないのと、イベントがあるので、むしろそちらに誘うのがいいだろうと思い、スキーターラビットのイベントに誘うことにした。

 今でもそうなのだが、ダンスはインターネットとは相性がよくない。相性がよくないというのは曖昧な表現だが、ようするにダンスに関することはあまりインターネットには載っていないし、ダンサーはあまりインターネットで情報発信をしたり情報交換をしない。
 もちろんインターネットを上手に使っているダンス関係者もいるのはいるのだが、少ないのではないかという感想を持っている。一地方の無名のダンス部であるうちのダンス部のページがグーグルで上位にヒットするというのを考えてもそうだし、やはりダンスという文化活動の「ありよう」とインターネットが伝えられる情報の質に、本質的に隔たりがあるからではないかと思っている。

 始めた頃は、「ダンスはマイノリティの趣味だから、インターネットでいろいろな地域の人とつながることがとてもありがたい」と思っていて、現にいろいろな人脈がインターネットで広がっていった。もちろん今でもそう思っているのだが、でも、あまり頼りにしても仕方がないなとも思っている。
 ダンスは体を使って目の前にいる少数の人に直接伝える数少ない文化芸術手段で、一方インターネットは体のごく一部を使い目の前にいない不特定の大量の人に情報を伝える手段であるから、これはどうにも混じりようがないのだなと思う。
 そしてだからこそダンスは今の時代に貴重なものなのだと思うのである。

 その他のダンスの話(記事にするほどではない話)

 うらじゃの曲を生徒に聞いてもらう。「前よりずっといい」と講評。ただし「前奏はもう少し長くてもいいかも」との注文も。

 第18回オールジャパン高校・大学ダンスフェスティバル(神戸)の書類を送ってもらうための問合わせの締め切りが迫っていることに気付いて、慌てて電話すると、今年からWeb登録ができるようになり、書類の郵送はなくなったとのこと。ありがたい(以上2006/03/22)。

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