超刺激的アート~身体の拡張~2006/11/08 08:52

 昨日と今日、ダンスとメディアアートの融合に関するワークショップに参加してます。昨日が一日目で、場所は岡山に新しく出来たアートスポット「ノイエ・ルイーナ」です。ダムダのプロジェクトの一環?みたい。
 講師はカナダのアーティストの二人組みで、一人がコンテンポラリーダンサーでもう一人がメディアアーティスト。昨日はMAXというソフトを使って、どんなことができるかという実験をしました。

 MAXはインプットとアウトプットがあって、インプットは、ビデオに自分が写っている画面上の位置、体につけられる角度センサーの傾き、音など様々。アウトプットは、画像の色合いやコントラストやズームなどの画像エフェクト、画像の再生スピードやディレイの秒数、モーションカメラの首振り角度、サーボモーターの制御など様々。

 例えばフロアーを歩いていて、それを写しているビデオ映像がプロジェクターに写っているのだが、画面上であるところまで歩くとスイッチが入り、以後スローモーションで映像が再生される。こちらは動いているのに映像の中の自分はなかなかついてこない。逆に何秒か映像をためておいて後から早回しで再生して追いつく。そんなことが出来ます。
 またカメラを二台使って、一台は自分の位置を検知する為に天井から真下に向いていて、その画面上のどの位置にいるかに応じて、もう一台の首振りカメラが自分を追いかけてくるというもの。

 そこに二人が入るとどうなるか。
 二人が同時に動くとかなり迷ってギクシャクするのだが、一人がぴたっと止まれば、もうその人は追わない(そうプログラムされている)。そんな感じのことをして2時間遊びました。今日は実践編で、音響もからめてやるそうです。

 このMAXというソフトは自由度がとても高くて、自分でスクリプトを書けば何でも出来てしまう。例えばアウトプットをDMX制御の照明装置につなげば(USBでつなげられるらしい)、自分の動きに合せて明るさや色がスポットの向きが変わったりもできるし、一つのインプットを複数のアウトプットに渡してやることもできるし、インプットの値をそのままアウトプットに渡さずに関数に入れてやることで、より滑らかな表現も可能になる。
 また、それらの数値を元にリアルタイムでCGを描くこともできる。
 センサーも、温度センサーや加速度センサーなど何でもつなげられる。

 そこで思いついたのは、例えばこんな感じ。
  • 一人二役のダンス
     一秒遅れの映像と二秒遅れの映像を同時に映し出して、輪唱のようなダンスや「一人ちゃんばら」をやる。
     これは以前EffecTVの存在を知ったときに、「画面の中にいる5秒前の自分と関わる」というのを思いついて、それからの発展ですね。EffecTVだと自分が二人同時に画面に写るのは難しいけど、MAXなら出来そう。

  • 「関わり」を映像化
     天井につるした位置検出用のカメラで、色分けした服を着たダンサーを写し、人それぞれがどこにいるかをインプットにし、それらの位置に応じて、舞台に見立てた長方形の中に円を描く。ダンサーが移動すれば円も移動する。
     ダンサーに取り付けたセンサーで、激しく動いているダンサーは円ではなくギザギザの形にする。色を変えてもいいかもしれない。
     そして、二人がある距離以上近づき、しかも3秒以上その距離内にいると、2つの円がぷよぷよみたいに融合して一つの楕円になる。また離れれば一つずつの円に戻る。

 ちなみにこのソフトは10万円くらいしますが、性能から行けばかなり安いですが、ちょっと今はまだ買えません。