ダンスの機能、ダンス部の役割2006/10/11 10:47

 「ダンスの役割って何だろう?」っていうのを色んな場面で考えてきました。
 ダンスは自分が踊って楽しいだけではなくて、それを人に見てもらって初めて成り立ちます。一人で、またはグループ内だけで踊って楽しい段階ももちろんあります。
 自分の肉体で記録に挑戦するのが好きだからブレイキンの技にひたすら挑戦するという人もいるし、単に気持ちよく汗を流したいからエクササイズをするという人もいます。また皆で踊って一体感を感じるというのもあるでしょう。
 それはそれでいいと思うのですが、でも、ステージに立って踊るのなら、それは「人に見せる」「見てもらう」ということを抜きにしては考えられません。

 だから「お客さんを楽しませる」「お客さんに喜んで帰ってもらう」というのはいつも気にしていることです。見た人が元気になるような、見た人がホッと一息つけるような、そういうステージを創り上げることができたら、それはとても嬉しいことです。

 だから文化祭では、100%のショーになるようにと、最大限の時間と手間をかけて創ってきました。

 ところが去年から、そうも言っていられなくなったのです。
 というのが鴨高祭のいろんな場面で、ダンス部員が活躍するようになってきたからです。
 鴨高祭は4ブロック対抗です。その「ステージ部門」ではダンスやダブルダッチやストンプなどのパフォーマンスを競います。また体育の部の応援部門では、各ブロック120人で踊ります。

 そういったパフォーマンスでの、リーダー、振付け、演技指導などをダンス部員が任されるようになってきました。
 今年は3年生のダンス部員がいる全てのブロック(といっても三ブロックですが)で、応援団長がダンス部員でした。3年の部員がいないブロックでは2年のダンス部員が頼りにされていました。3年生5人のうちの残りの2人も、応援団長をサポートします。

 そのため、ダンス部のステージだけを最優先して練習することが難しくなってきたのです。

 でも、そのことで、ダンス部の役割は、こういうところにもあるんだなと改めて確信したのです。
 振付けやダンスの指導には色々なコツがあります。三年間で身につけた技を自分の属しているクラスやブロックで発揮することができるというのは、とても幸せなことだと思います。
 それは、周囲の社会に、「ダンサーとしての自分」を認められているということになるからです。
 もちろんダンス部のショーで「すごい」と言ってもらえるのも嬉しいことですが、ショーだけでなく、クラスの人たちに直接役に立つ役割を任せられるのですから、本当にありがたいと思います。

 これは、鴨高ダンス部が、「鴨方高校」という抽象的なものにではなく、そのメンバーである生徒や教員に認められているということに他ならないと思います。そして、そういう形で社会(この場合は学校ということですが)に根を下ろすことができたということは、「持続可能な部活動」の安定した形になれたということだと思います。

 「こういう状態にいずれなれば」と思ってやってきたのですが、本当にそうなって感無量です。

 もちろんだからといって部活のステージの手を抜くつもりはありません。見た人が感動する作品をこれからも創りつづけられればと思います。

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